あいさつ
こんにちは!スマートキャンプ開発エンジニアのハヤシです。
私は入社エントリでも述べたとおり、コミュニケーションスキルの向上を目的にスマートキャンプに入りました。
約10ヶ月ほどBOXIL SaaSチームで働く中で、「入社当初と比べて結構変わったな〜」と思うことが増えてきました。
前回は技術的な記事を書いたのですが、今回は、思いっきりポエムに振り切って入社前と比べてどう変わったかを諸々振り返っていこうかなと思います!極めて個人的な話になってしまうのですが、よかったら見ていただけると嬉しいです!!
自分自身について
まず、入社時点でのコミュニケーションスキルを書いていこうと思いますが、我ながら本当に低かったと思います。
- 万年帰宅部で友達もほぼいない(ゲームが友達でした)
- 大学時代、コミュニケーション系の必修科目の単位を「人前で話すのが嫌すぎる」という理由でわざと落とす
- 社会人になるが、取引先とのMTGでは緊張で一言も話さず終了することも日常茶飯事(ニコニコするように努めてはいた)
- 新卒で入った会社で、話せなさすぎて取引先から担当者をクビになる。
- エンジニアとしてもチーム開発の経験はほぼなし。誰とも話さず一日が終了することもありました。
このように、人と接することに向き合わないで生きてきて、10代〜20代前半までは問題なく生きてこれたのですが、 エンジニアとしての経験を積んでいくにつれて、コミュニケーションを必要とする機会が増え、うまくいかないなと思う日が増えていきました。
特にフロントエンド開発では、実装する際に確認しないで作業を進めてしまうことが多々あり、結果的に実装時間が増えてしまい残業が度々発生してしまっていました。
このようなことが重なり、コミュニケーションに苦手意識がある自分に限界を感じてきたため、その部分で成長できる会社に行こうと決めてスマートキャンプに入社しました。
入社半年ぐらいまで
スマートキャンプは想像以上にコミュニケーションが活発な会社でした。
上述したとおり、コミュニケーションに強い苦手意識を持って入社した最初の半年間は全く環境に慣れず、壁にぶち当たりまくりました。
今まで人と接することを避けてきたツケが回ってきたようでした。
ぶち当たった壁
- 分からなくても相談・質問できない
- 想像以上にコミュニケーションが多く、疲弊する
- 人前で話すときに上手く話せない、言葉が詰まる
分からなくても相談・質問できない
それまで個人プレーで開発していたのもあり、ある程度のオンボーディングが終わった後は、独力で実装を進めないといけないという思い込みがありました。
仕様の部分で詰まっても、相談するのを躊躇っていて、Slackでチームメンバーに質問する際にも「こんな低レベルな質問していいのかな」とか「そもそも質問するのがめんどくさい。自分で頑張ろう」と考えて開発に支障がでてしまっていました。
想像以上にコミュニケーションが多く、疲弊する
BOXIL SaaS開発チームでは、以下のとおり多くのコミュニケーションの場が存在します。
今までの社会人生活で最低限のコミュニケーションしか行っていなかった自分にとっては、あまりにも人と話さなければいけない機会が多く疲弊していました。
- デイリーレポート(毎日)
- 日報のチャンネルです。今日やったこと、感じたことなどを全ての社員が投稿していて、お互いに見ることができます。
- 企画朝会(ほぼ毎日)
- 企画チームとスプリントタスクの進捗を確認し、企画されたタスクのポイントづけを開発チームメンバーで行なう場です。せーのでタスクに対するポイントを出し合って、ポイントが一致しなかった場合は、どの部分でポイントが増えそうかなどを議論する場でもあります。
- スプリントレビュー(毎週)
- ビジネスサイドのメンバーも含めて開発した機能を関連部署にお披露目する場で、毎週開発した機能をドキュメントにまとめて発表しています。
- レトロスペクティブ(毎週)
- チーム開発するうえで起きた問題を振り返りする場で、そもそもMTG多くて開発効率落ちてね?みたいなのも議題に上がり、水曜日がNo MTG Dayになるなど、開発に関する改善がここで話し合われます。
- 最近のワイ(週1)
- 毎週担当者が週替わりでやったこと・ハマったこと・これからやることを発表する会、プライベートな話をする人も多いです。
- プロジェクト版最近のワイ(2週間ごと)
- プロジェクトごとでやっていること、詰まっていることなどを共有し、異なるチーム間でのコラボレーションを促進する会です。
- OST(月1)
- Open Space Technologyの略でいくつかのテーマについて時間を区切って技術に関する議論をする会です。
- STT(3週間に1回)
- 「最近気になる技術・技術記事・ニュース」を紹介する会です。
- メンバー・上長と1on1(隔週)
- 唐突に入ることもあります。
- SMARTCAMP AWARD(年2回)
- 半期ごとに個人の成果を全社員で共有し合う会です。他部署の施策や成果を知れる場でもあります。
- 勉強会(隔週)
- Reactの勉強会とかを皆で集まってやっていた
- Gatherに常駐(毎日)
入社してすぐの時はDiscordを使っていたので、開発メンバー全員が同じチャンネルに常駐する形で運用していたのですが、上記の色々な施策も相まってコミュニケーションが密接すぎると感じてしんどかったです。
その後、gatherに移行となってある程度緩和されましたが、それでも当社は常に誰かに見られながら仕事をしなければならない感覚があり、慣れませんでした。
また、最初の2ヶ月ぐらいは、MTGがあるたびに緊張して臨んでいて、業務後は何もできないぐらい疲れて、「どうしてこんなに人と話すと疲れるんだろう?」と毎日弱音ばかり吐いて落ち込んでいました。
特に企画朝会やスプリントレビューでは、司会になるとさらに緊張感を持った状態で話さなくてはならず、疲れることが目に見えていたので恐怖でしかありませんでしたが、何度も何度も自分に「逃げちゃダメだ」と言い聞かせて参加していました。
人前で話すときに上手く話せない、言葉が詰まる
これはもうある程度わかりきっていたことではあるのですが、自分でも驚くぐらい人前で話せなくてびっくりしました。一番最初に司会になったときは、どうやって話していいかわからず、全く周りが見えない状態で早口で吃ってたのを記憶しています。
1on1等でチームメンバーと話すときも、相手の会話にかぶせ気味で話し始めてしまうことも多く、色々と歯車が合わずギクシャクしていました。
そのほかにも、MTG中に別の業務をしていて人の話を聞いていなかったり、目先の作業に集中しててMTGをすっぽかすなど、周りのことを考えてない相当ヤバいやつだと思われていたと思います。
このように半年間ぐらいは、苦手なことばかりで全く楽しくなく、自分としてもチームとしても完全にマイナスからのスタートでした。
なぜコミュニケーションが苦手なのか
自分にとってスマートキャンプの環境が想像以上に過酷だったので、一時期は辞めることばかり考えていました。高い志を持って入社したのに、全く変われず終わってしまう、と焦りました。
そこで、コミュニケーションが苦手だと思っている理由をあらためて考えて、どう対応したら解決しそうかを考えました。
苦手だと思っている理由
- 人前と話すときに緊張する、どう見られているかが心配。
- 頼みごとをしても拒絶されるのが怖い。
- 相手の言っていることを覚えられない、すぐ理解できない。自分は頭が悪いという思い込み。
- 自分のいうことは正しくないのではないかという不安。
自分自身について深く考えるまで、単純に業務的なコミュニケーションが苦手なだけかと思ってたのですが、根底には自己認知に問題があるから苦手なのではないかということが見えてきました。
これらを改善しなければ当初の目的は達成できそうにないなと考え、まずはそこから変えていこうと思いました。
どう対応したか
大体苦手な理由はわかってきたので、自分ができること・できないことを明確にして行動を少しずつ変えていきました。
これらを通して、仕事や対人関係にも良い影響が出てきました。
- 思考・行動を変える
- 人との接し方を変える
これらの行動を具体的に紹介していきます。
思考・行動を変える
コミュニケーションの苦手意識の原因が、低すぎる自己肯定感にあるとわかったので、自己肯定感を上げるための努力しようと思いました。
正直これを変えるのが難しかったですが、以下のように行動する事が自分には効果がありました。
- 運動する
- 疲れたらとにかく寝る
- 人それぞれが自分の正解を持っているという感覚を持つ
- 人にお願いごとをしてみる
- 過去の失敗を振り返ってみる
運動する
筋トレするのが良いと聞いたので、今まで身体を動かすのは全くしてなかったのですが、1日1回10分間の軽い筋トレを始めました。
これを習慣化することで、小さな成功を積み重ねる達成感と、集中力を鍛えることができました。程良く疲れる事で眠りも深くなったような気がします。
疲れたらとにかく寝る
自分は眠い時にネガティブ思考になる事がわかったので、とにかく最低9時間は寝ることを徹底しました。 ポイントは負の感情が湧いてきたと同時にとにかくすぐ寝る事です。タスクが残っていたとしても、明日起きてからやると決めて寝ました。
本当に思い立ったらすぐに寝ていたので、業務後の19時とかに就寝して朝5時に起きるみたいな事も多かったです。
これらを行う事で、大抵の悩み事も次の日にはちっぽけなものだと考える事ができるようになり、変に卑屈になることも減っていきました。
人それぞれが自分の正解を持っているという感覚を持つ
「勉強の問題のように誰かが正解を持っている」と思っていたのですが、人それぞれが自分の正解を持っているという考え方をするようにしました。
暴論のように思えるかもしれませんが、それからは「自分が間違えてたとしても、思ったことを言ってもいい」と思えるようになり、本当に気持ちが楽になりました。
今まで自発的にコミュニケーションが取れなかったのも、自分が言っていることは間違えているのではないか、という思い込みが原因となっていたことに気がつきました。
コードレビューで指摘されたときも、「自分のコードも正解だけど、提案されたコードの方が綺麗だし、より正しいコードだからそちらを採用しよう」という思考になり、自分が完全に間違えているとは思わなくなりました。
人にお願いごとをしてみる
ある本に、頼まれごとを断られる確率を低く見積もりがちだという話が書いてありました。
その本によると、頼まれる側が遂行を強制されていると感じるような頼み方でない限り、実際には依頼を引き受けて貰えるケースが多いと書かれており、人への依頼に高いハードルがあった自分を変えてくれました。
実際にSQLクエリ作成タスクをSQLに詳しい人にお願いしたり、自分がした実装についてコメントくださいと言ったときも、依頼された人は案外快く引き受けてくださって、逆に自分が頼まれる側になった場合にも精一杯答えたいという気持ちになりました。
結果として個人の負荷も下がり、開発のパフォーマンスも上げることができました。
過去の失敗を振り返ってみる
私は、デイリーレポートというチャンネルに日報として毎日の成功・失敗を書いているのですが、これらをあえて振り返ってみると、失敗した理由や内容をロクに覚えていないことが発覚しました。
自分の記憶力のなさに呆れてしまいますが、どうせすぐ忘れてしまうなら、好き勝手やってしまえと開き直ることができました。
人との接し方を変える
自分の得意・不得意を踏まえて、今より状況を良くするために、以下のことを実践しました。
- 意識的にテキストでコミュニケーションする
- 相手に思っていることちゃんと伝える
- 反応を気にしない
- 感謝を伝える
意識的にテキストでコミュニケーションする
自分は、相手が言っていることをすぐに理解することが不得意なので、意識的にSlackなどのテキストコミュニケーションで行なうようにしました。
テキストで会話することによって、用語の意味等を調べながら理解する時間ができ、記憶力が低い自分でも文章を咀嚼しながら返信できるので、相手に考えを伝えるというゴールは達成しやすくなりました。
どうしても音声やビデオでコミュニケーションが必要な状況になってしまったら、例え相手が顔を映してたとしても、自分は顔を映さないで話すようにしました。
これは、自分が「見られること」に対してストレスを感じやすいことへの対策で、この対策により発話のみに集中できるようになりました。
スプリントレビューなど多くの人の前で発表しなければいけない状況においても、これを徹底したことで、「あれ、俺意外と話せるじゃん!」と自信がつきました。
相手に思っていることちゃんと伝える
自分が考えていることを言語化しないで放置してしまうことが多く、本来議論すべき場面でも波風が立たないように逃げてしまっていました。
例えば、なにか自分が起こした問題について責められたときには、自分がすべて悪いとすぐ決めつけて、完全に思考停止して謝っていました。
そこで、自分に非があると感じていたとしても、それが起きた理由をしっかりと伝えるようにしたところ、意外にも理解してもらえることが多く、気持ちを伝えることの重要性を感じました。
今まで謝りっぱなしだったのが、会話が往復するようになったおかげか、人間関係も一気にうまくいくようになって自己肯定感も上がりました。
反応を気にしない
結構気にしいな性格なので、自分が発言したことに対してあれこれ考えてしまいます。「あの時のあの表現は良くなかったな」とか「Slackで投稿しても誰からもリアクションこねええ」とかで一々引きずってしまっていたのですが、自分が発言したことに対して一切何も考えないようにしました。
反応を気にしないようにしてからは、無駄に悩むことがなくなって、目の前のことに集中できるようになりました。
感謝を伝える
これは単純ですが、「ありがとうございます」を言いまくりました。ありがとうと言われるのが嫌いな人はよっぽどひねくれた人でない限りいないと思いますが、とりわけ自分が相手になにか相手に恩恵を与えたときにも積極的に感謝を述べるようにしました。
タスクについて質問されたときも、コードを一緒に眺めたときも、相談にのったときも、「ありがとうございます」とひたすら口癖のように言いまくることで、「いろんな人に感謝を感じている俺エラい」と一種の自己陶酔?に近い感覚になり、自己肯定感を高めることができたと思います。
これらのことを意識し始めてから、少しずつ自分が良い方向に向かっていることを実感していきました。
意識・行動が変わった結果
会社の行事を楽しめるようになった
あんだけ苦痛だったあらゆる行事が全く苦ではなくなりました。慣れたからというのもあるかと思いますが、身の回りで起きている問題に対して皆で立ち向かうのってステキやんって思えるぐらいまでに考え方が変わりました。
昔は、ハードスキルばかりに目が行っていて、ソフトスキルをかなり軽視していたのですが、今はその比率が五分五分ぐらいになり、バランス良くありたいよねって考え方に変わりました。
デイリーレポートチャンネルでも、ちょっとエモいことつぶやいたら、スタンプが多くついて嬉しくなったり、反対に散々な日のときにも励ましの言葉をもらったりして、スマートキャンプのウェットなコミュニケーションも楽しめるようになってきました。
チームの成功に目が向くようになった
BOXIL SaaSチームメンバーの異動や退職が重なり、自分が入社時には11名程いたチームメンバーも、正社員3名程に減少したことで、自分に求められることが変わってきました。
並行してBOXIL SaaS質問箱プロジェクトも発足し、エンジニアリソースが分離することになりました。どんどんチームメンバーが減っていくなか、一時的にチームのマネージメントを任されることになりました。
入社当初は自分自身に精一杯で、他メンバーのことを考える余裕なんてなかったのですが、地道に自分を変える行動を続けたおかげか、チームのことを考えられるまでになりました。
毎週のスプリントタスクの管理や、業務委託メンバーとの相談、進捗管理、スプリントレビューの発表も自分から率先して行なうようになり、周りを見て行動できる場面が増えていきました。
もちろん、マネージメントすることについて全くの未経験だったので、上長にやり方などを聞きながら進めたのですが、それすらも「昔だったらできてなかったよな・・・」と思うので、その部分ではかなり成長できたのかなと思います。
成果
毎年2回開催されるSMARTCAMP AWARDで2022年上期のファイナリストになることができました。
これは全社員で半期ごとに成果を発表しあうイベントなのですが、自分はこれと言って突出した成果出してないしなぁと考えていたので、ファイナリストに選ばれたときはびっくりしました。
惜しくも本選で破れてしまったのですが、自分が今までやってきたことは間違いではなかったと感じ、報われた気持ちになりました。
今後に向けて
ここまですべて自分との戦いに終始していたのですが、コミュニケーションという難敵を倒せそうだと感じた今、あらためて技術者としての勉強を深ぼってやっていきたいですね。
フロントエンドがやっぱり好きなので、イチから設計できる案件や、モダンな技術に積極的に触っていきたいです。
そして何より、今よりもっともっと周りを巻き込んで、良いプロダクトを作れるようにチームを引っ張って行けるように頑張っていきたいと思っています!
今回は長々とポエムに全振りしたので、次回はゴリゴリ技術系のブログを書こうと思います! ここまで読んでいただきありがとうございました!