スマートキャンプでエンジニアのチームマネージャーをしている米元です。
弊社ではエンジニアが中心となってエンジニア採用を進めております。 その甲斐あってか、ありがたいことに最近も入社を決めてくれたエンジニアが何名かおり、少しずつですが仲間が増えてきました。
この記事では弊社がどのようなエンジニア採用フローを行っているかを紹介しようと思います。
想定読者
- 弊社へ応募している、または弊社に興味を持って頂いているエンジニアの方
- 他社のエンジニア採用フローに興味あるエンジニアマネージャー、採用担当者
備考
- 中途採用のフローです
- 必ずしもこの内容がすべての候補者の方に適用される訳ではありません
- 基本的にスカウトや書類選考以降について紹介します
- 採用フローは日々改善しているため、記載した内容と実際のフローが異なる場合があります
なぜこの記事を書いたか
主な理由は以下の2つです。
- エンジニアが中心となってエンジニア採用の設計・運用をしていることが知られていない
- 選考フローが不透明な事による候補者の不安を無くしたい
この記事で少しでもこれらの事が解消できれば幸いです!
採用フロー
初回面談前の情報共有
ここからは採用フローを順に説明していきます!
最近の流行りに乗って弊社も会社説明資料をWebで公開しています。
事業内容やVision/Mission/Value、文化、制度、給与テーブルなど赤裸々に掲載していますが、この資料を公開していることを知られていないケースもまだまだ多いため初回面談前のやりとりの中でURLを共有しております。
会社説明資料 speakerdeck.com
初めてお会いする時間は候補者の方にとっても弊社にとっても貴重な時間です。 限られた時間の中で弊社の事をより深く知って頂くため、当ブログを始め以下のような記事・資料も共有させて頂いています。
候補者の志向や興味によっては、より弊社に興味を持って頂くために共有する記事を変える場合もあります。
tech.smartcamp.co.jp note.mu boxil.jp boxil.jp
もちろん全部目を通す事は出来ないと思いますので、面談時に一緒に見ながらアイスブレイクをしたり候補者の方からの質問のきっかけになるような使い方をしています。
カジュアル面談
選考要素の無い「カジュアル面談」もエンジニアが担当します。基本的にエンジニアのチームマネージャー(私)か各プロダクトの開発リーダーが担当することが多いですが、希望によってはチームのメンバー数名でお話することもあります。
カジュアル面談では相互に簡単に自己紹介をした後に今回特に話したい事を候補者の方に確認し、それに応じて説明の順番や内容を調整しながら以下の内容をお話します。
- 会社説明(資料を事前に読んで頂いている場合は質問などがあるかを確認)
- 事業・プロダクト
- エンジニアのメンバー
- エンジニアのカルチャー
- 利用技術
- エンジニア組織の最近の取り組み
その後、お互いの詳しい自己紹介や質問などを行うことが多いです。 また、事業やエンジニア組織などの説明に関しても資料(今のところ非公開)を作成しており、誰でも同じ説明が出来るようにしています。
面接
面接の概要は以下の通りです。
面接官
- 主にエンジニアが担当します
- 入社後に関わることになるセールスやマーケターなどのエンジニア以外の職種も面接官として参加する場合があります
面接回数
- 3回が多いですが人によって4回以上になる場合もあり
- エンジニア面接2回、代表面接1回
- 遠方の方など来社が難しい場合はリモート面接も可能
- 希望に応じて1日で複数回の面接も可能
重視するポイント
- カルチャーマッチを重視しており、技術面が優れていてもカルチャーがマッチしない場合はお見送りとさせて頂く
- 技術面においてはその時の募集要件を満たしているか、将来的に満たすポテンシャル(学習・思考プロセス)があるかを見る
質問内容
- 過去の経験を事実ベースで聞く
- どんなプロジェクトで、どのように考え、どんな行動をとったか等
- 将来のビジョン、やりたいことなど未来について聞く
- これらの質問から後述する「SOCS」に当てはめてカルチャーマッチするかを見る
- 趣味や興味のある技術の話で盛り上がる事も多い
全体的にかっちりとした面接ではなく、雑談のようにラフに話をすることが多いと思います。
また、基本的にはエンジニアチームのメンバーとは選考のどこかで必ず会ってもらうようにしており、面接で話せなかったメンバーは別途ランチや会食(飲み会)を設定したり社内のイベントスペースで軽食を取りながら話す機会を設けています。
行動指針「SOCS」
弊社では4つの行動指針があり、評価規準にも使用されています。 これら4つの頭文字をとって「SOCS(ソックス)」と呼んでおり、主にSOCSを基準にカルチャーマッチするかどうかの判断をしています。
- SmartThinking
- 仮説思考・本質思考
- 先見性と創造性
- Ownership
- リーダーシップ
- 主体性
- Collaboration
- 社内・社外共創
- Speed
- 実行スピード
- 生産性(質/時間)
性格診断・SPIの受験
1次面接後にWebで受験できる性格診断とSPIを受けていただきます。 基本的には業務の得意領域・不得意領域の参考のために使いますが、特に性格診断の方は社内の誰に特徴が似ているかや誰と相性が良いかを把握するためにも利用しています。
※私が知る限りエンジニアでこの結果を元にお見送りしたことはありません。既存社員でもかなり偏った結果が出ているメンバーもいますが問題無く活躍しています!
その他の取り組み
選考フローの中で出来るだけ弊社の事を知ってもらうための活動をいくつか行っています。
- 面接時だけでなく選考期間中にも連絡をとり、不明点や疑問点があればそれを埋めるための資料や参考記事を送る
- 面接後のオフィス案内
- エンジニア+入社後関わるメンバーとの会食(2次面接以降)
- タイミングが合えば月1回のピザパへ招待
- 1日体験入社(選考進んでいる人向け)
期待値のすり合わせ
最終面接まで進んで頂いた後は条件面の希望確認と、改めて期待値のすり合わせを行います。
候補者の方が弊社でやりたいことができるか、作りたいキャリアが作れるか。また、それが弊社側の想いと一致しているかを確認します。 特に最近はその人向けの入社後の役割や2〜3年後のキャリアイメージの資料を個別に作成し、言葉だけでなく視覚的にもズレが無い事を確認しています。
意外と候補者の方ご自身でも最後の最後まで本当にやりたいことを言語化できていない場合があり、この段階ですり合わせがうまく出来ていない場合は辞退につながっていることが多いと感じています。
リファレンスチェック
ミスマッチを無くすため候補者本人の同意のもとでリファレンスチェックを行います。
オファー面談
最後に内定通知と共に条件の提示を行います。来社が難しい場合は面談ではなくメールで完了する場合もあります。
内定承諾〜入社後の一定期間
無事内定承諾して頂いた後は入社までと入社後の一定期間を「オンボーディング期間」として、入社後に出来るだけ早い段階で活躍して頂けるようにサポートさせて頂きます。 これに関しては今まさに取り組んでいる最中ですが、例えば以下のような内容を準備しています。
- Vision/Mission/Value、ルール・制度、事業、組織など会社全体に関わる説明
- 業務するうえで必要な情報の共有
- 業界用語、技術などの研修
- 他部署のメンバーとのランチ
- メンターによるフォロー
採用がゴールではなく、入社して頂いた方が活躍することがゴールであるため人事とも連携しながら会社全体でオンボーディングの仕組みを作っている最中です。
これからやること
オンボーディング以外にもまだまだ整備できていない事だらけなのですが、今後は以下の2つにも注力していきたいと思っています。
- 技術試験やシチュエーションテストなどを用いたスキルチェック方法の確立
- 副業や業務委託から正社員化のフローの確立
特に技術試験は候補者側の負担が大きいわりに方法を間違えると正しい判断が出来ないため、導入には慎重になっています。 今のところ候補者の方の都合がつけば副業や業務委託で一定期間一緒に働く時間を作ることが一番良いとは思っていますが、もし他にも良い方法があるよ、うちではこんなやり方で成果でてるよ、というものがあれば教えて頂きたいです。
心がけていること
今回ご紹介したフローの全体を通して心がけていることをいくつかお伝えしたいと思います!
自社の魅力を言語化し、正しく伝える
- 人、文化、事業、会社などそれぞれの魅力を言語化しておく
- 感覚的に思っていることも自分の中で一度整理し、具体例を元にわかりやすい表現で相手に伝わるよう言語化しておく
- 言語化しておかないと面接官によって内容に一貫性が無かったり、誤った意味で伝わる恐れもある
オープンであること
- 良い面だけでなく悪い面も率直に伝える
- 入社後のミスマッチだめ、絶対。
- 入って欲しい人には良いことばかり伝えたくなる・・・でも悪い面を隠しても入社後にバレる
- 悪い面は一緒に改善してくれる方と働きたい
入社後に働くイメージをつけてもらう
- カルチャーや雰囲気をあらゆる方法で伝える
- 仕事で関わる全員と会ってもらう
期待値調整をサボらない
- 候補者の期待と自社の期待を言語化・視覚化してズレが無いかをすり合わせする
採用基準は妥協しない
- 人は欲しい・・・でも妥協しない
- 技術面がよくてもカルチャーがマッチしない人を無理に取るとお互い不幸になる
改善し続ける
- 候補者の方からのフィードバックや自分達自身の反省をもとに定期的に振り返りを行い、改善し続ける
最後に
細かいところは書き切れていない部分もあるのですが、少しでも採用フローのイメージがついて弊社に興味を持って頂ければ幸いです。
また、今回は主にエンジニアに向けて書きましたが、私と同じようにエンジニア採用を担当されているマネージャー職や人事の方からすると今回の内容は採用活動全体の一部でしかないと思います。
自社への認知を増やす活動や選考に入る前の興味を持ってくれた方へのアプローチ、ATSを利用したデータ分析など他の取り組みも順次進めていますので、どこかでそれらの取り組みについても共有出来ればと考えています。
今回の記事で興味を持って頂いたエンジニアの方はもちろん、エンジニア採用に一緒に取り組んでもいいよ!という方はぜひ一度お話させてください!