SMARTCAMP Engineer Blog

スマートキャンプ株式会社(SMARTCAMP Co., Ltd.)のエンジニアブログです。業務で取り入れた新しい技術や試行錯誤を知見として共有していきます。

リモートHQでリモートワークの生産性とQOLが爆上がりした話

※タイトルとアイキャッチはAIに考えてもらいました。

はじめに

こんにちは。VPoEの米元です。 スマートキャンプでは2023年3月に「リモートHQ」というサービスを導入しました。 リモートHQは、在宅勤務の環境を始めとしたリモートワーク支援のためのサービスです。

hq-hq.co.jp

本稿では、スマートキャンプの働き方とその課題、リモートHQの紹介、導入後の効果、メンバーの声について紹介したいと思います。

対象読者

  • リモートワークでの在宅環境に課題がある方
  • 社員のリモートワーク環境を整えたいエンジニアのマネジメント職または人事の方

導入の背景

スマートキャンプ開発組織の働き方

当社では創業間もない時期から週1回のリモートワークデーを採用していましたが、コロナ禍をきっかけに全社的にリモートワーク中心の働き方に移行しました。 その後、今年に入りコロナ禍の状況が変わってきたことで週1日以上の出社を基本としていますが、生産性を最大化するために最適な出社頻度を組織や職種ごとに選択する形をとっています。

開発組織においては月1回以上の出社頻度を目安にしていますが、人によっては出社が中心のメンバーもいますし、関東近郊以外にお住まいのフルリモートのメンバーや週2回程度の出社を自主的に行っている京都開発拠点のメンバーなど、人や部門によって多様な働き方をしています。

全体でフルリモートに統一しない理由としては、対面でのコミュニケーションも大事にしたいという思いがあるからですが、その辺りの背景は本記事の趣旨からは外れますので省略します。気になる方はこちらの京都開発拠点立ち上げ時のnoteをご覧ください!

在宅環境における課題

前述したような多様な働き方をしている中で、全員に対して生産性の高い作業環境を提供することは簡単なことではありません。以前のように全員が出社する前提であればオフィスのデスクやモニタを始めとする備品を整備すれば済む話ですが、在宅での作業環境はメンバー個人の住環境や家族構成によってさまざまな制約があり、それに伴って必要な機材や金額も異なります。

また、リモートワークが長期間続くと運動不足になってしまったり、自宅の椅子が合わず腰を痛めたりといった健康面にも懸念がありましたが、これらに対しても一律のリモートワーク手当の支給のような対応ではカバーしきれません。

一方で個別の状況に合わせて金額や椅子・モニタなどの支給物をカスタマイズする方法も考えられますが、手間や資産管理の観点から現実的ではありません。 特にスマートキャンプでは人によっては自分で一定のレベルまで在宅環境を整えているメンバーもおり、公平性の観点からも既存の制度でのカバーが難しいと考えていました。

このような状況の中、グループ会社の方から紹介していただいたのが「リモートHQ」でした。

リモートHQとは

「リモートHQ」は在宅の作業環境を整えるためのサービスです。 リモートHQを導入すると、あらかじめ設定したポイントに応じて社員自身がリモートHQのサイトから椅子・モニタ・キーボードといったさまざまな商品を選んでレンタルできます。

また、事前に自宅の作業環境の不満点や写真を送り、それを元に専門のコンシェルジュと相談しながら自分にとって最適な作業環境を作ることができます。

ラインナップを一部紹介するとFlexiSpotの昇降デスク・エルゴヒューマンのチェア・HHKBなどのデスク周りの商品や、ルームランナー・スマート睡眠パッド・空気清浄機などの健康増進関連など非常に幅広いラインナップから商品を選ぶことができます。

リモートHQの資料から抜粋

さらに、既存のラインナップに無い商品についてもリクエストを出すことができ、リモートHQが承認したものは新たにラインナップに追加されます。

商品のレンタルや返却に関するやりとりなど手間のかかる部分はリモートHQ側で対応してもらえますし、リモート手当てのような制度とは違って所得税や社会保険料がかからないため導入企業側で増える工数はほとんどありません。

弊社ではまだ利用していませんが、電気やネットの代金を非課税で法人負担にできるオプションもあるなど、在宅勤務やその補助で課題になりやすい点が非常にうまくカバーされたサービスだと感じています。

導入の効果

それでは実際に導入してどうだったのか、まずはサービス導入後のアンケートの結果から定量的なデータを見ていきましょう。

満足度

サービスの利用満足度は100%でした。(とても満足している: 60%、どちらかと言えば満足している: 40%)

レンタルした商品自体の満足度だけでなくコンシェルジュ相談を始めとしたユーザーサポートや、欲しい商品が無かった場合でもリクエストが可能な点などサービス全体の総合的な評価もこの満足度に繋がっているようです。

生産性向上の実感

90%近くのメンバーが生産性の向上を実感しているとのことでした。

すでに自分で在宅環境を整えていたメンバーも一定数いたため、組織全体としてどれくらい効果があるかは未知数だったため、この結果は(良い意味で)少し意外でした。

また、生産性向上の実感値としては平均で19%増となっていました。 これはあくまで実感値ではあるので、仮に5〜10%程度の生産性が向上したと保守的に見積もっても十分な経済効果が出ていると判断しています。

健康面への影響実感

健康面に関しては30%程度のメンバーが変化を実感したようです。

満足度や生産性向上への影響と比較すると低い値になりましたが、アンケートの実施がサービスの利用開始直後だったため健康面の効果が出るまでの期間が短かったことや、椅子やその他の健康面に関わる商品をレンタルしたメンバーが多くなかったことも原因だと思われます。

メンバーの声

それでは実際に利用したメンバーの声も聞いてみましょう。今回は4人のメンバーにインタビューをしてみました。 ※括弧内はインタビューイのニックネームです。

1人目(ピーターさん)

— サービス導入前の課題や気になっていたことがあれば教えてください

もともとそこまで課題感は無かったのですが、デスク環境が暗かったのでその点を改善できたらいいなというくらいでした。

— サービスを利用してみてどうでしたか

もともとの課題だった暗さに対してはコンシェルジュの方に大きめのデスクライトをおすすめしてもらいました。 また、自分では当初考えていなかった点もいくつか提案してもらいました。

例えば「モニターアームを使ってみたらどうか」という提案や、当時はMacをデスクにそのまま置いてキーボードとしても利用していたため「Macもモニターにした方が目が疲れにくいですよ」と提案もしてもらいました。 その結果、モニターはモニターアームを利用し、Macはスタンドを使ってモニターと高さを揃えました。さらにこの形にするにあたってキーボードが必要になったので、試しにMistelの分割キーボードにしてみました。また、トラックパッドも合わせてレンタルしました。

また、余ったポイントでトレーニングベンチを借りたのですが、思っていたより軽いものが届いてしまいこれに関しては失敗でした(笑) 総合的にはデスク周りは全体的に改善されましたし、提案していただいたデスクライトも自分では探せなかったと思うので非常に満足しています。 失敗したベンチも返却できますし、レンタルだからこそ気軽にトライできたので学びになりました。

2人目(職人さん)

— サービス導入前の課題や気になっていたことがあれば教えてください

もともと在宅の環境は必要なものが揃っていて何を借りようか迷う部分がありました。 デスクはFlexiSpotの昇降デスクを持っていて、椅子もあったのであまり借りるものは無いかもしれないなと思っていました。

— サービスを利用してみてどうでしたか

デスク周りはキーボードをREALFORCE for Macに変えただけなのですが、他にエアロバイクと「KENSUI -kaku-」という懸垂マシンをレンタルしました。 自分は身体を動かすことが好きなのですが、エアロバイクがあれば外が雨でも有酸素運動ができますし、懸垂マシンはコンパクトな作りになっているのでデスクのすぐ横に立てていて仕事の合間にいつでも懸垂ができるようになりました。

おかげで日常生活を豊かに過ごせるようになったと感じています。 特に懸垂マシンに関しては以前から気になっていた商品だったのですが、値段が4万円くらいするので自分で買うには少しハードルが高いです。

もともとのリモートHQのラインナップに無かったのでダメもとでリクエスト申請してみたら承認されて嬉しかったです(笑) 実際に届いてみたらサイズも用途も自分にドンピシャでハマって、非常に満足しています。 自分はリモートHQは健康面に重点を置いて使っていきたいと思っています。

省スペースな懸垂マシン(正面)

省スペースな懸垂マシン(横)

3人目(クマノミさん)

— サービス導入前の課題や気になっていたことがあれば教えてください

私の場合は机や椅子などはすでに揃っていたためそこまで課題感はありませんでした。強いて言えばサブで使っていたモニタをもっと大きいものにしたい気持ちはありました。

— サービスを利用してみてどうでしたか

一点集中でポイントを利用し、自分では絶対に買わないであろう39.7インチ5K2Kの曲面型ウルトラワイドモニタを借りました。

私はデータアナリストなので普段からデータ抽出業務をするも多いのですが、画面の幅が広いのでその業務が圧倒的に楽になりました。生産性が上がったと思います。 解像度も以前利用していたものよりも圧倒的に良いので、目が疲れにくくなりました。

— 今後レンタルしてみたいものはありますか

もしモニタが気に入らなかったら返却しようと思っていましたが、結構気に入ってしまいました。なので当面は残りのポイントで小物のレンタルをしようと思います。 特に電源タップなどは消耗品だと思っているものの、実際に買い換えようと思うとまだイケる!と思って買わなかったりするので電源タップとか借りてみたいです。

また、1年に1回くらいは使いたいときがあるシュレッダーやプリンター等も低ポイントで借りられるのですが、そういった一時的にしか使わないものや置き場所に困りそうなものを借りると思います。

あとは気軽に試して気に入らなかったら返却できるのは大きいですね。自分で購入したものは多少気に入らない点があったとしても我慢してそのまま使いがちですが、リモートHQだと躊躇なく返却して他の商品に変えられるので特に値段が高いものを試すハードルが下がりました。

4人目(ブラーバさん)

— サービス導入前の課題や気になっていたことがあれば教えてください

気になっていたことは2つあって、1つはデスクです。 手軽に高さが調節できなかったため腰が痛くなりがちでした。また、天板が小さくご飯を食べながら作業がしづらかった点にも不満を感じていました。

2つ目はモニターです。サイズが小さかったことと、スピーカーが無かったためイヤホンが必須だったことに不便さを感じていました。 いずれも学生時代に買った安いものをそのまま利用していました。そのため自宅ではあまり作業する気にならず、満員電車に揺られながらも出社することが多かったです。

出社した際に少し残業してから帰宅するとだいたい21時過ぎになっていて、勉強に使う時間があまりとれない日々が続いていましたね。

— サービスを利用してみてどうでしたか

デスクはFlexiSpotの昇降デスクにしました。 高さが自分で手軽に設定できるので腰の痛みが少なくなりましたし、天板が大きくなったのでご飯食べながら作業したり、よく使うものもテーブルの上に置けるようになりました。

また、モニターアームを導入したことでさらにデスク上のスペースが確保できました。

モニターの方は31インチのものにしました。モニターから音が出るようになったので自分が喋るときだけイヤホンするようにしています。 これらのおかげで非常に快適になったため、リモートにする日がかなり増えました。(400%増)

それによって満員電車に乗ることが少なくなったことや勉強するための時間が増えたのも良かったです。 今後はキーボードを試してみたいと思っています。

私は今まで自宅の作業環境の整備にそこまで興味が強いわけではなかったのですが、会社が提供してくれるサービスで改善できたことが非常に良かったです。

自分と同じように新卒で今まで自宅の環境を整えていなかった人からすると、家賃補助くらいありがたい福利厚生だと思います。エンジニア以外にも使ってもらいたいです。

マネジメントの視点から見たリモートHQ

最後に導入者側であるマネジメント(私)の視点も書いてみようと思います。

高いコストパフォーマンス

導入者として一番気になる費用対効果ですが、前述の「導入効果」で記載した生産性向上の効果に加えて、中長期的には健康面での効果もあるのではないかと考えています。

業務に関する効果だけでなく「生活の質(QOL)が上がった」と話してくれるメンバーもいるなど利用者の満足度も非常に高く、定量的にも定性的にも当初の想定以上の効果が出ていると感じています。 また、利用された分だけ費用が発生する仕組みなので、もし社員にほとんど利用されなかったとしてもサービスの利用料が無駄になることはありません。

運用に関しても負担はかなり少なく、手当や物品の支給と違って社内の手続きや資産管理が発生しないためバックオフィス側のメンバーの手をわずらわせることもありません。 サービスの利用料に対しての効果が高いため非常にコストパフォーマンスが高く、そのうえで無駄な手間やコストが発生するリスクが低いので、導入者にとってもありがたいサービスだと言えます。

考えられたユーザー体験

初回の商品を発送する際にメッセージカードを同封してくれたり、商品を発送する際の箱を利用企業のオリジナルデザインに変更できます。

例えば新入社員が入社したその日に、自分が選んだモニタやキーボードなどがメッセージカードと共に送られてくる・・・という体験を想像すると、それだけで会社へのエンゲージメントが高まりそうですね。

単に物を届けるだけでなく受け取る利用者側の体験まで考え抜かれた設計になっており、サービスを作る人間としても見習いたいと思っています。

喜んでもらったことに喜ぶ私

さまざまな変化に対応できる柔軟性

例えば結婚や出産などのライフステージの変化、昇進や異動などによる業務の変化があった場合、作業環境の見直しやカスタマイズが必要になる場合もあると思います。

ただ個人でそれらを行なうことはコストや労力の面で負担が大きく、見直したとしても微調整にとどまることが多いかもしれません。 一方でエンジニアとしては自分の作業環境をチューニングし続け、常に最高の生産性を求めるべきだとも考えています。

リモートHQを利用することによって、これらのハードルが下がり、さまざまな変化に柔軟に対応できるため、社員の皆さんが長期的に高い生産性を発揮し続けてくれることに繋がるのではないかと考えています。

まとめ

スマートキャンプにエンジニアとして入社するともれなくリモートHQが利用できます。 この記事を読んだ方が在宅環境を整えて生産性を高めることに少しでも興味を持っていただけたら幸いです。

また先方のメディアにも弊社の記事を掲載していただいていますので、宜しければこちらもご覧ください。

hq-hq.co.jp

スマートキャンプではこれからもエンジニアが働きやすい環境作りに積極的に投資していきます。

※PR記事のような内容になってしまいましたが、これは記事広告ではありません、念のため。