SMARTCAMP Engineer Blog

スマートキャンプ株式会社(SMARTCAMP Co., Ltd.)のエンジニアブログです。業務で取り入れた新しい技術や試行錯誤を知見として共有していきます。

ド田舎の高専生が気づいたらWebエンジニアになっていた話

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マリ緒のあいさつ

はじめまして,4月よりスマートキャンプに23卒として入社しました那須野です。
社内ではマリ緒と呼ばれていますがもはや面影すら残ってないですね。あまつさえ最近は「マリ緒っち」や「マリリン」という派生形で呼ばれるようになってきたのでもう訳がわかりません。
今回は自分語りする機会を頂けたので、思う存分語りたいと思います。

  • 地方勢だけど上京してエンジニアとして働きたい人
  • スマートキャンプに興味がある人
  • 就活で色々迷っている人
  • 高専生

このような方々の目に留まり、参考にしていただければ幸いです。どうぞよろしくお願いします;)

自己紹介

自己紹介です。つらつらと書きます。
出身は岩手県で、地元の工業系高専に通っていました。
携帯の電波すら圏外になるような辺境の地に住んでいました。光回線が開通したのも最近のことです。(やばいね)
現在二十歳で、高専を卒業してそのまま新卒入社した形になります。
ねことゲームが好きです。
下の写真は実家で飼ってるねこちゃんです。かわいいね。
neko

学生時代のおはなし

高専、知ってますか?

高専、知ってますか?
5年制の教育機関で専門技術を16歳からたくさん学べちゃいます。校則はだいぶ緩く、部活は任意だったり、授業は15時で終わったりと自分の時間をたくさん確保できます。
最近は某呪術マンガの影響で多少認知度は上がっていると思いますがそれでもたまに「コウセン...???」みたいな反応をされることがあります。
ちょっと悲しいです。

IT?なにそれ美味しいの?

学生時代からWeb開発一筋だったかというとそういう訳でもなく吹奏楽部で楽器吹いてたり、アニメ見たりと割とITとは無関係な学校生活を送っていました。(そもそもド田舎出身でPCをまともに触る機会がなかった)

きっかけ

そんな自分がなぜエンジニアになろうと思ったのか、きっかけはコロナ禍のリモート授業にあります。
新型コロナウイルスが猛威を振るっていた2020年中頃、自分の通っていた高専もついにリモートでの授業を開始しました。そして、学校側も学生側も慣れないリモート授業のなかで友達からこのような話をされました。

「課題出すの...忘れるくね...????」

...確かに。ハッとしました。自分の通っていた高専は比較的年配の教師が多く、慣れないリモート授業で課題の周知、回収が曖昧になっていました。
そこで、授業で習った覚えたてのPythonと当時どっぷり沼にハマっていたTwitter(今も)を利用して、課題通知Botなるものを作成することにしました。
下の写真は実際にBotが投稿したツイートです。(アイコンは自分で描いた。ブラックサンダー美味しいよね。)
task_bot

このBotをクラスメイトに使ってもらい、彼らから放たれた次の言葉が自分がエンジニアになりたいと思ったきっかけになりました。

「これめっちゃいいじゃん」

この一言がめっっっっっちゃ嬉しいんですよね。なにせ発案から実装まで、全部自分1人でやったことがみんなに評価されたんですよ!自分を全肯定してくれてるんですよ!嬉しくない訳ないじゃないですか!
この時の嬉しさが忘れられず、テクノロジーで人をたくさん喜ばせたいと思いエンジニアを志すようになりました。

道が決まった

その後、友人の影響でWeb技術を触り始め、Webアプリ開発を通してじっくり沼にハマっていきました。
そうしてなんやかんやしているうちに就活の時期になり、自分は将来Webで飯を食っていきたいと思い, Webエンジニア志望で就職活動をすることにしました。
それだけではなく、将来は東京で働くんだい!っていう強い想いもありました。なぜかは知らないんですけど、田舎の若者は都会に強い憧れを持ってるんですよね。異常な程に。
(でも実際新卒でWebエンジニアを目指すとなると企業自体がそもそも少ないので厳しい話ではあった)

就活のおはなし

ポートフォリオ頑張った

就活のおはなしです。
Webエンジニア志望で就活を始めることにした自分.
とは言っても一体何から始めたらいいんでしょう...
自分はインターンを終えると同時に内定かっさらってきたつよつよな友人に相談しました。そして「何かしらの成果物を用意しろ」とありがたいお言葉を仰せつかったので自分はまずポートフォリオの作成に取り掛かることにしました。
さて、何を作ろうか。
う〜ん何も思い浮かびません。ToDoリスト?メモ帳?Twitterクローン?否、インパクトが薄い。なぜそれを作ろうと思ったのかをしっかり説明できるようなものを作りたいと思いました。
そうして悩んでいるときに何とはなしに友人に「なんか困ってることない?」と聞いてみました。すると「小2の弟がいるんだけど九九を覚えられなくてねぇ」とのこと。
これだ。マリ緒に電流走る──!
さて、解決するテーマは決まった。これをどう解決していこうか。自分は「共感覚」という言葉をテレビで耳にしました。以下Wikipediaからの引用です。

共感覚(きょうかんかく、シナスタジア、英: synesthesia, 羅: synæsthesia)は、ある1つの刺激に対して、通常の感覚だけでなく 異なる種類の感覚も自動的に生じる知覚現象をいう。
例えば、共感覚を持つ人には文字に色を感じたり、音に色を感じたり、味や匂いに、色や形を感じたりする。複数の共感覚を持つ人もいれば、1種類しか持たない人もいる。共感覚には多様なタイプがあり、これまでに150種類以上の共感覚が確認されている。

...これだ。マリ緒に電流走る──!(2回目)
失礼しました。ということで共感覚に着目し、色と数字を連想させてあげることができれば覚えやすくなるんじゃないかと考え、KUKUと題しまして「九九を視覚的に覚えることができる教育向けWebアプリ」を開発することにしました。名前については何も聞かないでください。お願いします。
長くなるので詳細は割愛しますが実際に開発したものは画像の通りです。だっさいですね。(当時はイケてると思ってたんだけどなぁ)
kuku

でも自分でデザインしたアイコン(↓)だけは今でも気に入っています.(KとU、教える人と教わる人を組み合わせてる)

kuku_icon

デザインはともかく企業さんが技術力を判断する一番の材料になるのはこのポートフォリオの内容だと思ったので当時の自分なりにめちゃくちゃ頑張りました。
今振り返ってみてもこのポートフォリオ開発のマインドは間違っていなかったなぁと思います。

ライバルは大卒、 院卒

自分1人ですべて行なうのは効率が悪いと思ったので就活エージェントさんの力をお借りし、自己分析や就活対策をしてもらいました。
その後、自分は就活マッチングイベントに参加するようになり、そこで僕は今まで見えていなかった現実を突きつけられることになります...
他の参加者、全員歳上なんですよね、大卒とか院卒とか。それに対して自分は当時19歳、まして自分はWebを触りはじめてまだ一年ちょっとだったのでめっちゃ緊張したし不安でした。
選考の結果も奮わず、落ち込み、焦り、イベントを重ねていくごとに自信を失くしていきました。

頑張った結果

そんなこんなでメンブレしていたんですがどうしても東京に行きたかったWebエンジニアになりたかったので頑張りました。諦めずに。
今思うとよくあそこまで頑張れたな〜って思うんですが、頑張れた秘訣はちゃんと休憩の時間を取れていたからだと思います。
自分はかなりのゲーマーなんですが、どんなに面接やイベントが重なって忙しくても好きなゲームをやる時間は絶対に確保していました。絶対にです。
ネガティブな事象が起きた後もそれを続けると生産性も落ちるし、何より心がしんどくなっちゃうんですよね。ネガティブに毒されたドロドロした心は自分が向き合うべきことまでドロドロ(?)させてしまい掴みようのないものになってしまいます。
だからこそ好きなことに取り組む時間を毎日必ず設け、習慣化することで毎日心に栄養を補給してあげる必要があるんじゃないかなと思います。(習慣化してあげることで「俺はこんなことをやってていいのか...;;」っていう罪悪感も薄れますし)
このように自分の心と向き合いながらめげずに頑張り続けた結果...
スマートキャンプと出会い、働かせていただくことになりました。

その後(インターン)

内定をいただいた後、スマートキャンプでインターンをすることになりました。
大学とは違い、高専は必修の科目が多く就活が終わった後もそこまで時間に余裕があるわけではありませんでした。長期休暇中は週4で参加できていたのですがそれ以外は中々参加できませんでした。幸い単位に余裕があったので必修ではない科目を休んで参加することにしましたが、それでも週2回が限界でした。つらい。
今これを読んでいる高専生、大学生の皆さん。単位だけは余裕を持たせておきましょう。⚪︎にます。
そんなわけであまり長い期間インターンに参加できていたわけではありませんでしたがスマートキャンプの業務の雰囲気、文化などを感じるには十分すぎる時間だったと思います。
インターンはフルリモートで行ない、オンボーディングWebアプリを開発したり、実際にプロジェクトにジョインしてタスクをこなしたりとフルリモートでも十分だと思えるほど濃密な内容でした。(オフラインでできるのが一番いいんだけども地方勢にはつらい)
完全に個人で行なっていたポートフォリオ作成とは違い、インターンでは学んだことがたくさんありました。他の人に見てもらうことを意識したコード、レビュアーが見やすいようなPR作成、進捗報告などのアウトプットのわかりやすい伝え方、実際の運用を考慮してのセキュリティ面、CI/CD、etc.多いですよね。個人開発では中々学べないことだと思います。忙しい中時間を削って参加した甲斐があったってもんです。実際、今インターンで学んだことを活かせてますし。
インターンにはもちろんオフラインで参加している方もいますが、インターンの内容としては共通のものに取り組みました。田舎人は差別されるとかそういうことはないです。安心してください。
また、オンラインオフィスツールのGatherを使用しているため、オンラインでもオフラインのような感覚で話しかけることができます。下の写真は実際のチャットだけだとどうしても解決できないこともあるため、Gatherの存在はかなり大きかったです。
下の写真は実際に集まって雑談している様子です。わちゃわちゃしてて楽しいです。
gather
インターンに参加している人の技術レベルはまちまちでしたが、それぞれに対応した内容のタスクや課題を用意してくれるため、苦しみすぎることはありませんでしたが正直、焦りはありました。でも頑張るしかないんです。その人も同じ道を通ってきたはずだから。
今振り返ると、インターンで実際の業務の流れや使用している技術を体験できていたことが今の自分にとって大きなアドバンテージになっているなぁと思います。

入社理由

スマートキャンプと出会ったのは逆オファー形式のマッチングイベントでした。
前述した課題通知botを作成してから作業の自動化などの効率の改善が好きになっていた自分にスマートキャンプのMISSIONであるテクノロジーで社会の非効率を無くすがぶち刺さりました。
嬉しいことにオファーをいただきまして、そのイベント内で一次面接を通過できました。その後もオンラインランチや面接を重ね、次回最終面接というところまでたどり着くことができました。
そしてそのタイミングで就業体験として本社にお招きいただき、実際にメンバーの雰囲気や企業文化を肌で感じることができました。たくさんの選考を受けてきましたが選考途中で就業体験として会社にお招きいただいたのはスマートキャンプだけでした。
このお誘いを受けた時点でスマートキャンプは技術力云々の前にその人がどんな人物なのかをしっかり見て、丁寧に選んでいるんだと感じました。 就業体験を終えたときにはそれは確信に変わっており、同時に「絶対にここで働きたい」と思っていました。
最終面接では代表の林さんとオンラインで行ないました。嬉しいことにその場で内定をいただき、思わず「マジっすか」と漏れてしまいました。普段の言葉遣いが終わってるとこういう大事な場面でボロが出るもんですね。内定取り消されなくて本当によかったです。
その後も何度か本社にお招きいただいて社員の皆さんと交流する機会があったのですが皆さん本当に優しくて入社してからシバき倒されるんじゃないかと不安になるほどでした。
もちろんそんなことはなくて本当にみんな優しいんですよ。マジで。(あまあまゆるゆるという意味ではないです)
これも明確な採用基準の下、その人物を見て採用しているからなのかなと思います。

入社してから

合同研修

ここからは入社してからのことを書こうかなと。
スマートキャンプは株式会社マネーフォワードのグループ会社なんですが研修はマネフォと合同で行なわれました。 自分は結構な人見知りなので見知らぬ大勢の人間(23卒の同期は70人近くいた)と話すのは正直大変だったのですがなんとかやりきりました。
お陰で話すことへの苦手意識が少し薄れてきたかもしれないと思う今日この頃です。
さて、気になっている方も多いかもしれないので研修の内容についても簡単に書いていきたいと思います。
エンジニアの研修は大きく分けて2つに分けられます。1つ目は新卒全員が参加する全社研修、2つ目が新卒のエンジニアのみが参加するエンジニア研修です。

全社研修はビジネスマナーやロジカルシンキング(MECEとかSWOTとかPDCAとかロジックツリーとか、わからない人は調べてみてね)など、社会人として、マネーフォワードグループの一員として大切なことを学びました。そんな全体研修でいいな〜と思ったことが1つありまして、懇親会が定期的に開催されるんですよね。「えぇ〜〜ただでさえ疲れてるのに夜も拘束されるの...」と思った方、いると思います。そうそこの貴方です。自分も正直最初は同じ気持ちでした。だって人見知りだし、夜はゲームしたいじゃないですか。でもね、一度参加したら考えを改めざるを得ませんでした。
実は懇親会に参加するのは同期だけではなく、スマートキャンプ、マネフォの経営陣や各部署のリーダーなどもたくさん参加します。このような方々と歓談する機会は後にも先にも中々ありません。そういった方々の経験談や価値観、考え方を聞くことができるのは本当に貴重な機会だと思います。もちろんまだ話したことのない同期ともお酒の力を借りて話すことができて、とても楽しく、有意義な時間を過ごすことができました。このような体験を通して、自分のなかでの懇親会の捉え方が変わっていきました。正直、自分から話しかけることに対しての苦手意識はまだ払拭しきれていませんが...頑張っていきたいです。

エンジニア研修では2~3人のグループでPBL(課題解決型学習)を行ないました。内容としては以下の通りです。 - 仕様書のみが与えられ、その仕様書を元に1つのアプリケーションを開発する - 技術選定はメンバーのトレーナー達が各々の技術スタックを考慮して決定する - 期間は2週間で週1回の進捗報告会以外はグループで自由に開発を行なっていく

オンラインでも「ちょっといいですか」を実現できるよう作業中は常にVCを繋いたり、ふざけるところは適度にふざけたりと心理的安全性を高めることがチーム開発においてはかなり重要になってくることがわかりました。適度にふざけたいい例がありまして、自分達のチームでは猫好きが2人、カワウソ好きが1人だったのでチーム名をKawausoにしました。弊チームではマイノリティを尊重します。
チームで1つの共通認識みたいなキーワードがあってもいいと思います。まあ当然自分達のチームは「Kawauso」なんですが。例えばアプリケーションのアイコンをカワウソにしたり、モックデータをカワウソ関連にしたりとそのキーワードを見るときにクスッと笑えるようにするとこれもチームの心理的安全性向上につながるのかな〜と思います。
最終日には制作物の発表会があり、そこで各チームが開発したアプリケーションの解説、デモを見ることができます。さすがマネーフォワードと言ったところでしょうか、皆つよつよなんですね。自分では絶対に思い付かないような実装をしているチームもあって、ただただすごいな〜と感服するばかりでした。
2週間という期間は想像以上にあっという間でめちゃめちゃ楽しかったですし、同年代の人たちとチームで開発することはあまりなかったのでとても新鮮でした。
またやりたい。

チームへジョイン

研修が終わった後はBOXIL SaaSというスマートキャンプのメインプロダクトのチームにジョインしました。
1スプリント2週間のスクラム開発を導入しており、スプリント末に行なわれるスプリントレビュー(やったこと報告会みたいなやつ)では他部署の方々も参加し、ゆる〜くチャットが賑わいます。YouTubeとかニコニコみたいにコメントが流れていくのが自分は好きです。
また新卒メンバーのオンボーディングも充実していて、エンジニアとしてのメンター(トレーナーと呼ばれています)と社会人としてのメンターがいまして、1on1などを通じて手厚いサポートをしてくれます。本当にありがたい...
勤務体系について、自分は入社する前「毎日出社するぞ!!」と意気込んでいたのですが朝の満員電車に耐えられず入社三か月にしてフルリモート状態になっています(都会怖い)。
ですがコミュニケーション量はMTG、ペアプロ、モブプロなどを通じ、出社していたころとほぼ変わっていません。実際に秋田からフルリモートで勤務している方もいらっしゃいますし地方の方でも働きやすいと思います。記事も書かれているので見てみてください.
ちなみに自分が担当したタスクがプロダクトの価値向上(高評価や、売上向上など)に貢献できたときの嬉しさはマジたまらんです。これからも頑張ります。

これからのおはなし

これからについて語ります。
20歳ということもあり自分はまだまだ未熟です。青いバナナくらい未熟。
タスクをサポートなしでこなせるようになることは当たり前ですしこの手の記事では書きがちのことなので省きます。それ以外について、ここではお話ししたいと思います。
スマートキャンプでは社内の非効率を無くすようなツールが有志によって日々開発されています。例えば日報のフォーマットを自動作成してくれるツールとか自分が今月どれくらいフレックスできるかを確認できるツールとか...いっぱいあります。 これの何がすごいって社内のプロジェクトとして開発されたわけではなく、社員が自ら非効率を見つけ自主的に開発しているところなんですよ。 もともとスマートキャンプに興味を持った理由がMISSIONであるテクノロジーで社会の非効率を無くすなので、それを実際に体現していることに深く感銘を受けました。僕も作りたい。
と、いうことでこれからは社内の非効率を無くすようなツールを作ることにチャレンジしてみたいと思います。
かくしてWebで飯を食っていくという夢が叶ったわけですが、これで満足できるわけもありません。周りよりも経験が少ないと卑下するのではなく、自分には周りよりも時間があるんだと、そう捉えてポジティブに生きていきたいと思います。

さいごに

長くなってしまいすみませんmm
言葉を書くのに不慣れで怪文書みたいになってしまいましたがここまで読んでくださって本当にありがとうございます。
この記事が少しでも皆さんの参考になれば幸いです。