スマートキャンプエンジニアの今川(@ug23_)です。
先週、Regional Scrum Gathering Tokyo 2020にフル参加してきました!
本記事では聞いたセッションを中心に考えたことや、火曜日からやったことをまとめました。
わたしとRSGT
今回の話の前に、私がなぜRSGTが好きなのかを書きます。
RSGT自体は2015年に初参加しています。実はセッションの一部で話すという経験をしていました。
大学院のカリキュラムで学生チームで1年間スクラムを実践したところで、話しにきて!というお誘いを受けて教員のみなさんと一緒に登壇させて頂いたのでした。
見たら有料の日があったり、OSTに実践者向けって書いてあって怖くて初日しかでてなかった、と懐かしい気持ちになりました。当時学生だった私にはこういうコミュニティが強烈に印象にのこりました。
- ランチ出るのすごい!
- XPとかスクラムとかアジャイルとか絡み合ってるんだなー
- スクラムにはスクラムマスターが必要って聞いたのにスクラムマスターは要らないとか言ってるし
- 色んな人が居る!なんかメイド服着てる人いるし
…というところが強かった思い出。
2016のチケットの高さにビビり、学生でお金なくてやめてしまい、その後はスクラムから離れていたので参加しなくなっていたのですが、2019で久々に参加しました。
2015とはぜんぜん違うな、と思いつつも参加しただけで気持ちが本当にブチ上がって年越しの感覚を味わいました。OSTで喋ったり、てんちょ(ヤッホーブルーイング井出さん)の話を聞いてチームで仕事しよう!という気持ちになれました。
そんなわけで2020も当然参加だ!と11月の時点でチケットを確保していたのでした。
ちなみにRSGT2020期間中にRSGT2021のSuper Early Birdチケットが発売されましたが買えませんでしたw
全スライド
スライドが公開されているものをまとめたエントリをスクラムマスダーさんが公開されていたのでリンクしておきます。
聞いたセッション
Day1
keynote: The Ten Bulls of the Scrum Patterns
牛?何の話だろう?と思いながら聞いていましたが、十牛図とScrum Patternsの話でした。
パターンは自己を見つけるための助けになるもの はとても腑に落ちました。私は学生時代4年間裏千家茶道をやっていたのですが、守破離を感じながら稽古をしていました。パターンをなぞってこういうの好き・こういうの楽しいよねというのがわかる感覚が思い起こされました。
一方で、スクラムにおいては自分はどの段階にいるんだろう、と。牛を見つけた?捕まえた?「どの段階にいるか」が大事ではないとはいえ、現在地を把握したいなという気持ちになりました。
余談ですが、同時通訳聞きながらメモ取ってるとやっぱり疲れました。英語で聞きたい気持ちがでてきた。
アジャイルコーチ活用術
冒頭の シャッター音に配慮しようという規範を守りましょう のアナウンスに密かに感銘を受けていました。仕事する上で規範を守るという意識がしばらくなかったなと感じた瞬間でした。
コーチングとは、というところから選び方まで詳しく解説されていました。確かに、人にコーチングしてもらうならこうだよな、と思う内容でしたが、ほっとくと便利屋さんのように使ってしまいがちなので選ばなければならない時が来たときに見返そうと思った内容でした。
社内ではサイボウズの天野さんにコーチングしていただいていますが、関わり方は間違っていなそうで安心しました。
みなさんのプロダクトバックログアイテムはOutcomeを生み出していますか?
ダイヤという概念が紹介されていました。どんぐらい価値があるの?というのが、金額で測れなかったり、あとで議論したときに忘れがちなので導入したほうがいいときもありそうだと思いました。
Guild Worksさんはいろんな現場を支援されていてすごいな、という感想を持ちました。
見積りしないスクラム
見積もりの辛い部分を回避できて、それが有効に回っているのがわかりました。そして前回のRSGTの話から実践してそれを発表している構造自体が素晴らしい点です。 Scrumの5つの価値基準からこの施策の有効性を説明していたのがとてもよかったです!
見積もりをある種のフィードバックシステムかのように考えるのいいなあと思ったりしました。
モブプログラミング x 行動分析学 x 教育
www.slideshare.net
いろんな手段を試してより好子が多く出現するしくみを考えようとする、という内容。
人によってはひとりでのびのびさせて上げるほうがよりよく回るというのが面白いですね。土肥さんは以前から行動分析学の話をされているようなのでこれまでの発表を見返してみようかなと思いました。
特殊部隊SETチームの日常 - 技術と実験を融合した実践アジャイル術 -
HIROさんが元気に発表しているのをみて安心しました。
一緒に痛い目にあうことで真に必要な支援がわかるというのは横断的なスペシャリストチームに共通する考え方だと思います。SETI的なチームやSREチームのような職能ベースのチームも増えてきていますが、 作ってやったから作れではなく、真に必要な支援を必要なだけ、必要としている組織に与えていくのがいいあり方なんだろうなと思いました。
A Scrum Bookの歩き方
ほぼほぼKeynoteの補足のような、Copeとのインタラクティブな会話や質疑が飛び交うセッションでした。
騎郎さんは、A Scrum Bookは 鈍器 レベルだけども、10年かかってスクラムパターンをまとめてきたのでぜひ手にとってほしいとおっしゃっていました。拾い読みしても有用とのこと。英語が…。
Day2
Keynote: Lost in Translation: The Manager’s Role in Agile
Lost in Translationは 相互理解の難しさを描いた映画とのことでした。
組織を変えるにはまずリーダー陣が変わらないといけない、そのためにはまず下位から変わらなければならない。リーダー陣によい気付きを与えられるように、リーダー陣が各メンバーによりよい振る舞いをできるように、やがて組織全体を変革できるように、まずは自分の行動を変えたり、良いものを紹介することから始まるんだなという衝撃を受けました。いきいきとした仕事ができるといいな。
アジャイルな組織をつくるためにアジャイルを使おう は良い言葉でした。アジャイルで変化を一気にやることをしないことを覚えたのに、組織改革でそれをやらないの?と言われている感じでしたね。
今週CAL1研修を受けた方はより理解できたのかも。いいなー!
チームの再定義 -進化論とアジャイル-
基盤チーム、分割されていたとは。
別プロジェクトにバラバラになってしまったところはBGMもあいまって本当に悲しい気持ちになってしまいました。最終的には人間としての超個体のありかたをまた模索しはじめたのでやはり基盤チームだなと思いました。
なによりきょんさんの発表のいいところは、考えた仮説をenPiTで学生にやらせてみて効果を実感していて開発経験のない学生でもできたんだから!といってくれるところだと思います。愛と勇気。
Team-Based TEAM - 会社を越えるチーム -
いまのプロダクト以外のものを開発しろ、と言われた時、同じチームとして振る舞えるだろうか?と考えるきっかけになりました。プロジェクトチームでなく、プロダクトチームでもなく、チームのためのチームというあり方。
なんか他の発表でも岡田メソッドが引用されていました。他の分野の知識をスクラムとか開発プロセスに持ってくるの大好きなのでどんどん話されてほしい。
Day3
Open Space Technology
半分以上占いによる人生相談室をしていました。楽しかった。
スキをみていろんなディスカッションを渡り歩きました。
NEXT→ACTION
コミュニティについてみんなで紹介するタイミングで、tddyyχの紹介をしました。
たしかに、2015からするとしっかり活動しているコミュニティは増えましたね。コミュニティとチームと自分、みんなでよりよいやり方を考えていこう、という考え方は目からウロコでした。感動しました。
みんなひとりじゃない、だから事例を共有しあって、それを実践してまた共有して、RSGTのようなコミュニティができるんだなと最高の気分になって帰りました。
火曜日から何する というワードがぐるぐるしてきて、なにをしようか考えていました。
全体を通して
いろんなチームでいろんなチャレンジ・実験が行われていて、それを聞いて深く感銘を受けていたと思います。
特にSahotaさん→きょんさん→およべさんの流れは完璧で、Day2はそのままホワイエでゆったりしていました。
自分はチームに何ができるんだろう チームをより良くするための第一歩とはなんだろう そもそもなぜ一緒にいられるんだろう という気持ちになりながら三連休を過ごすことになりました。
火曜日からやったこと
チームとしては、
- もっとOutcomeを増やせるようにしたい
- 今まではスキルトランスファーやチームワークを意識して、すべての実装をモブプログラミングでやっていた
- モブプログラミングが有効だと感じられないタイミングもあり、ある程度ひとりひとりで作業する時間も必要そうだ、と考えが起きている
- これからより人を増やしてキャパシティ自体を上げていきたい
- そのためにもどんな人が必要かを定めたい
という議論の真っ最中でした。そこで、これらを提案してみました。
- MTGによって時間がズレたり、リモートによって場所がズレたりしても意識的にモブを取り入れつつ開発できるようなしくみにしたいね
- モブプログラミングの有効性について、一旦やめてみることで実験してみよう
- 人をいれて余裕がなくなるかもしれないけど、技術的な研鑽ができるチームでありたいね
- 人が入れ替わってもうちのチームらしい部分は残っている気がするけどなんだろうね
その後も、採用や開発体制など、チームでどうあるべきか?という議論がたくさんできました。タフクエスチョンを投げたかもな、と思いましたが結果的にチームがより次のステップへ進むための議論のきっかけになったかもしれません。
今のチームはまだまだ歴史が浅いので、いかようにも変容できるけど、それでもうまくいったことを再現できる組織でありたいね、という話ができました。
まとめ
RSGT最高でした。実行委員会のみなさまおつかれさまでした。年一でこうして変わりなくイベントがあると これを実践してRSGTで話したい! という願望を持ってやれる気がします。最高のイベントでした。来年もまたギャザギャザしましょう。
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